田中 利砂子
現在、世界には7,000ぐらいの言語があると言われています(『Ethnologue』による)。私たちが毎日書いたり話したりしている日本語もその中の一つです。しばしば「日本語は難しい言語である」と言われることがあります。本当にそうなのでしょうか。生まれたときからずっと日本語がある環境で育っている私たちは、特別な訓練をしなくても自然に日本語を身につけ、話せるようになっています。そのため、日常生活のなかでは、あまり日本語について意識することがありません。そこで、本講座では、世界の国や地域の言語と比較しながら、あらためて日本語という言語について考えてみたいと思います。
人・お金・もの・情報が地球規模で移動する現在、地域の人々が海外のいろいろな都市の人々とさまざまなかたちで直接つながっています。世界という視点から日本語を捉え直すことは、このグローバル社会で生きていく私たちにとって、きっと役立つことでしょう。