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学長挨拶 −入学式式辞に代えて−

2020年4月6日

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。例年であれば、新入生へのお祝いの挨拶は明るい言葉、明るい内容で埋め尽くされるものですが、今回はやはり、新型コロナウイルスについてお話ししなければならないと思います。新型コロナウイルス(以下、「コロナ」)との戦いは、世界の複数の大統領や首相が「戦争」と表現せざるを得ないような深刻な状況となっており、日本も例外ではありません。しかし、時間はかかるかも知れませんが、この感染拡大もいつかは収束します。そしてその頃には、私たちの社会は、そして世界は、感染が拡大する前とは違ったものになっていると思います。人類は感染症のパンデミック(世界的大流行)を何度か経験していますが、パンデミックは私たちの社会を変えるほどのインパクトを与えることがあります。例えば、14世紀(鎌倉時代後期室町時代初期)にペストが世界的に大流行しました。ヨーロッパでは人口の30%以上(2000万〜3000万人)、世界では8000万〜1億人が命を落としたと言われています。ヨーロッパにおけるペストのパンデミックは労働力不足をもたらし、農民の地位を向上させました。それが、当時、弱体化しつつあった封建制社会に打撃を与え、その後の中央集権国家の成立を後押ししたと考えられています。更に、ルネサンスや大航海時代到来の要因にもなっているのです。これほどではないかも知れませんが、皆さんが本学を卒業する頃には、日本の社会は、私たちの価値観なども含め、大きな変容を遂げていると思います。その社会では、感染拡大前とは違った発想や工夫、創造力を持った若者の力が求められるでしょう。皆さんが飛び込んでゆく社会がどのようなものなのかは、まだ誰にもわからない、未知の世界です。今、ここから、高いアンテナを張り、「感染拡大後の日本の社会はどうなるのか?何が求められるのか?世界の中の日本はどうあるべきか?果たすべき使命は何か?」常に自問自答しつつ、卒業までの一日一日を大切に、学修に精進してください。そして、新しい社会で活躍できる、一味違う、「求められる」人材になってください。私たち教員も、そのために、皆さんを全力でサポートします。
南九州短期大学
学長 横堀仁志